☆ 数字の「コンマ」はややこしい・・・?
聖火リレーもスタートして、バンクーバーもオリンピックムードが高まってきた。そして
「オリンピックまであと何日」を表す電光掲示板の日数もどんどん少なくなり、それを
見てきた中級レベルの生徒が「ひゃくにちをきりました」と教室に入ってきた。
そしてこんな質問が続いた。「でもなぜ『いちひゃく』と言わないんですか・・・」である。
英語ではまちがいなく「one hundred」であろう。このような質問は前にも二三度
受けたことがあり、特に英語が母語の生徒はとても気になるのである。
数字の単位は「ひゃく」「せん」「まん」と教える。でも「ひゃく」や「せん」には「いち」が
つかないのに「まん」には「いち」がつく。確かに100円は「ひゃくえん」で1000円は
「せんえん」であるが、10000円は「まんえん」ではなく「いちまんえん」である。こんなこと
考えたこともないし、日本人にしてみればごく当たり前のことである。でもなぜ
「いちひゃく」や「いちせん」とは言わず、「まん」には「いち」がつくのかと改めて質問されると
困ってしまう。
子供のころはコンマは四桁ごとについていたような気がする。確かに日本は四桁ごと
に位があがるからこのようにコンマをつけたほうが分かりやすい。
1000 千 1,000
1,0000 一万 10,000
10,0000
十万 100,000
100,0000 百万 1,000,000
1000,0000 千万 10,000,000
1,0000,0000 一億 100,000,000
確かに100,000や1,000,000はかなり見慣れているのですぐ分かるが、10,000,000
以上になるとなかなか難しい。いちいち0の数を数えてしまう。でも1000,0000のように
四桁にコンマがあれば「せんまん」と簡単に読める。このほうがはるかに楽である。
なぜ四桁にしないのだろうか・・・。昔はどうでもよかったのだろうが、国際化とともに
日本も3桁に合わせざるを得なくなってきたのであろう。日本人が英語の数字に
苦労するのは当然である。
生徒には「昔は日本では1000にはコンマはつけず、1,0000に初めてコンマをつけた
ので『ひゃく』や『せん』には『いち』は必要なく『まん』から『いちまん』と言っていたからで
すよ」と説明している。しかしこのコンマも明治初期にアラビア数字が普及しはじめたからであり、それ以前は当然漢数字を使っていたので、コンマなどは全く必要なかったのである。
一億二千三百四十五万六千七百八十九のように・・・。
そしてこんなことも議論になった。「コンマ」と「カンマ」の違いである。確かに両方耳に
するが、発音上の違いで基本的にはどちらも同じである。でも小数点を表すピリオドや
ポイントなどが絡むと、国によって使い方が異なるようなのでとてもややこしい。こんな
議論には早くピリオドを打ちたいところである。
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